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ジッパー様

第25章 連鎖

「シホさんっ……!」


 まさか私の時みたいに閉じ込めてしまうんじゃ?と思ったけど、次の瞬間、再び肉の塊が大きく開いた。


「!」


 そこには、若い姿の九条シホが立っていた。艶のある長い黒髪に白い肌、華奢な身体に豊満な胸、シホはどこから見ても美少女だった。


「シホ」


 そしていつの間にかシホさんの隣に、人間の姿のジッパー様が立っていた。


「ジッパー様っ……!」

「シホ、私もずっとあなたに会いたかった」


 二人は見つめ合い、キスをする。


「愛してます、ジッパー様」

「私もだ、シホ。あなたを永遠に愛してる」


 二人は抱きしめ合い、そして二匹の小鳥となって、真っ暗な空へと飛び立った。


「……」


 それは一瞬のことで、まるで何か映像でも見ているかのようだった。でも肉の塊のジッパー様はもういない。



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