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ジッパー様

第25章 連鎖

「信じられない……そんなことがあるなんて……」

「でも今まで信じられないことを経験したから、僕は信じるよ。母親は九条シホで、父親は……」


 そこまで言いかけて、セイヤさんは私を見た。


「誰だと思う?」

「……っ……」


 私はゴクリと息を飲んだ。
 でも成長が止まった事実があるなら、たぶん……。どうやらセイヤさんも同じことを考えてるみたいだった。


「でも僕は嬉しい。血の繋がった姉弟がいてくれて」 

「!」

「ハルカ……姉さんに何かあったら、今までみたいに飛んでいくし、これからもよろしゅうな」

「……っ」


 私はまだそこまで割り切れていなかった。ずっとセイヤさんを男として見てきたのに、急に弟として見なければいけないなんて……。



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