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ジッパー様

第6章 意外な繋がり

 二重扉の前には、あの時と同じ店員が立っていた。今日はメイド服ではなく、チャイナ服を着ている。


「いらっしゃいませ、ご来店ありがとうございます」


 落ち着いた表情で店員は二重扉を開ける。
 あの暗くて異様な店内を見れば、片桐部長も何かおかしいと思うはず……そう思ったのに、私の目に飛び込んできたのは眩しい光だった。


「えっ……」


 店内が明るい。
 そしてそこにテーブルや椅子はなく、ラックにかけられた沢山の衣装と、試着室があるだけだった。


「なるほど、中はレンタル衣装屋だったのか。いやぁ、てっきり喫茶店なのかと勘違いしてたよ」

「無理もないです、居抜きですからね。間違えて来店されるお客様、けっこういらっしゃるんですよ」


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