無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　チャイナ店員の言うことにポカンとしていると、メガネ女が「さ、ハルカさんはこちらに」と私の背中を押した。


「何点かお持ちしますので、試着室でお待ちください」

「……っ……」


　一体どういうことだ、と今すぐメガネ女に問い詰めたいところだが、片桐部長がいる手前それはできない。私はメガネ女を静かに睨むと、試着室のドアを開けて中に入った。


　目の前の鏡には地味な自分の姿が写っている。化粧もしてないし、着替えたところで綺麗になるとは思えない。


「あはは、そうなんですかぁ～」


　試着室のドアの向こう側から片桐部長とメガネ女の笑い声が聞こえてきた。楽しそうな雰囲気で嫉妬する。
　そもそもあの二人は一体どんな関係なんだろうか……。