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ジッパー様

第6章 意外な繋がり

 数分待つと、メガネ女が洋服を二着持って、試着室の中に入ってきた。


「お客様ぁ~、こっちとこっち、どっちがお好みですか?」

「……」

「やだ、ハルカってば。そんな怖い顔で睨まないでよ」


 素に戻ったメガネ女を私は更に睨む。


「どういうつもり? 私に関わるなって言ったのにっ……」

「どういうつもりも、あたしはただ片桐部長に相談されただけよ? まさか相手がハルカだと思わなかったわ」

「相談?」

「部下と食事に行きたいから、服を貸してくれないかって」

「なんで……なんで片桐部長はあんたにっ……」

「それはあたしが信頼されてるからじゃない?」

「!」


 メガネ女はクスッと笑った。



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