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ジッパー様

第9章 調教

「鈴村さんがどうして部長の席に座ってるの?」

「……っ」


 どうしよう……
 何か答えないとバレてしまう!


「あの……部長に仕事を頼まれて……」

「部長に? こんな遅くまで残業してまで?」


 机の上にある時計をチラッと見ると、八時を過ぎていた。


「ふぅん」


 進藤さんは納得していない顔をした。
 でもそれ以上は追及してこなくて、自分の席に座ると何かファイルを開いていた。


 とりあえずは安心……ではない。
 進藤さんが帰らないと、私も片桐部長も動けないから。


 片桐部長は今、私が座っているデスクの下にいる。とっさに隠れる場所はここしかなかった。
 進藤さんの席からは見えないけど、こっちに来られたら大変なことになる。


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