箱……戎
第2章 ハッピーニューライフ
「うわわわわわわわわわ!!目が!目!?」
プレゼントは父にぶつかり中身が飛びだし床に転げた――――…
それは母の目玉だった
父を二度と見ないから…と、私に頭を下げながら泣いていた…あの目…
父は母の血まみれの汚い目玉を肩で息を吸いながら…凝視している…
目が放すことが出来ないのも分かるが…
母の目をそんなに見つめないで欲しい――――…
「死んでも…まだ、お父さんの視線を独り占めにするなんて…
本当に腹が立つ――――…」
私は母の目玉を踏みつけた――――…
「ヒッ――――!!ぅ…!」
足の裏に感じるニュルッとした感覚が不愉快だが…
これ以上父の視線は向けさせない
父は母の目玉から視線を外すと…「うぇ!うぇぇ」と、吐き気を押さえることが出来なかったのか…居間の床に吐いていた――――…