Hello
第42章 from jealousy * バンビズ
恋人……?
霞む目を必死でこじあけ、体を離して俺より少し低い位置にある翔さんを見た。
翔さんの瞳は、真っ直ぐに俺を見つめていた。
昨日のような暗い光はなくて、凪いだ海のような深い色。
聞き間違いじゃないよね……?
「俺……翔さんの……恋人?」
「違うのか」
抑揚のない声で問われ、慌てて首を振った。
「ちが……わない」
「俺はなんとも思ってないやつに、こんなことする趣味ねーし」
言って、翔さんは、反り上がってる俺のものをおもむろに擦り出した。
待ちかねた刺激に、体がびくっと震える。
薄く笑った翔さんの長い指が、緩急をつけて高みに俺を一気に引っ張りあげた。
「ああっ!……いきな……りっ」
「イケよ」
「や…っ……はあっ……」
……!!
出口を探し求めて膨れ上がってた俺の塊は、ちょっとした刺激であっさりと達してしまった。
びくびくと震え続ける体。
何もかもに敏感になっているのに、翔さんは、間髪いれずに、俺の出したもので、滑りのよい指を再び後ろに押し込んだ。
そのまま抜き差ししては、押し拡げるを繰り返す。
「あぅっ…」
「柔らかいな……」
ふるふると首を振り続ける俺。
抜き差しする指なんかより、もっと確かなものが欲しい。
ちゃんとした言葉が欲しい。
気持ちをちょうだい。
「翔さ………んっ」
「なんだ」
「おれ……俺を好き……?」
「……今言った」
「もう一回……!」
「言わねぇ」
翔さんの面白そうな響きの言葉と共に、あっという間に俺は押し倒され、シーツに沈められる。
体を割り開かされ、ゆっくりと、翔さんが俺に自分を押し込んできた。
昨日の今日だから、まだ柔らかいのか、俺の体も引き込むように彼を受け入れてるのがわかる。
立てた足が、震えた。
下腹部が熱い。
「……あっ……」
「……あんまり俺を怒らせるな」
お前を傷つけるのは本意じゃない
言われた言葉に目をみはる。
「俺……なにも……」
「無自覚だから厄介なんだ、おまえ」
「………」
「昨日も。その前も。誰彼かまわず愛想ふりまいてんじゃねぇ」
同時につきあげられ、痺れるような快感に背中が反った。
「んっ……ああっ!」
そのまま揺さぶられて。
俺はガクガクとする腕を必死にのばして翔さんに抱きついた。