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Hello

第46章 ひらり*末ズ

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まあ、五才児のときに比べたら、目線がほぼ同じになってること以外、さして不都合は見当たらなかった。


「かず、ご飯できたよ」


ただビジュアルが、高校生って、なんだか無駄にドキドキするのだ。
例えばいつもの潤くんの服は全部ブカブカで、白のシャツの胸元があいてる感じだとか、なんか……若いって爽やかにエロいんだよねぇ。

こう……俺が30も半ばをすぎてるからか、その若さが眩しいっつーかさ……。


「かず」


ゲームをしてる俺に近寄ってくる様も、なんだか遊んでほしいって寄ってくる犬っコロみたい。


「なに」

「なにじゃねーよ。ちょっとは俺の相手しろよ」

「してるじゃん……」


顔を向けたら、そこにはぷくっと頬を膨らませた可愛い潤くん。


ああ……俺、なんだかいけないことしてるみたいじゃん……。


「ここ乗って」


潤くんに膝の上を指し示されて、目を剥いた。

俺に甘えてほしいときに、潤くんがよくいう台詞。
いつもなら、そりゃかっこよくて、俺も照れながらその腕のなかに飛び込むけど……。


……いやいやいや。
たぶん、俺、あなたと体重同じくらいだと思うよ?今。
つぶれちゃうよ。

俺は、慌てて首をふった。


「いや……いい」

「なんで」


潤くんが、ちょっと不機嫌な顔をして、俺の体を持ち上げようとした。
ところが、


「……あれ」


いつもなら、ひょいと体ごと持ち上がり、潤くんの胸に抱かれるけれど。


「……くっ」


そーんなひょろい腕で持ち上がるわけないでしょーよ。

俺は、四苦八苦してる潤くんが可愛くて、我慢できなくてくすくす笑ってしまった。

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