Hello
第47章 宴 4
鼻の奥がツンとした。
気持ちがやけにセンチメンタルなせいもあるからか、涙が勝手にでてきそうになり。
やばい……翔くんの膝濡らしちゃう。
そっと薄目をあけたら、ちょうど向かいで相葉ちゃんに同じように膝枕されてるにのとバッチリ目があった。
はっという顔をしたら、にのは、しょーがないな、という顔でクスリと笑ってみせた。
そして、優しい眼差しで、いーんだよ、というように頷いた。
……我慢していた涙がいっきに溢れてきた。
「?……え、兄さん?」
「ふふ……やな夢でもみたの?」
翔くんがあわてて背中を擦ってくれて。
松潤が、優しく気遣ってくれて。
相葉ちゃんが目を擦る俺にティッシュを差し出してくれた。
「……おーのさん」
「わ。びっくりした、にのちゃん起きてたの?!」
にのの言葉に、相葉ちゃんが笑いながら膝の上のにのの肩を抱く。
にのはその姿勢のまま、ふわりと優しく笑んだ。
「不安もとまどいも何もかも……みんな一緒だから安心して」
「……」
「出た結論に自信もって」
「……ん」
「俺らハタチよ?……大人よ。何があっても大丈夫」
いまだ不安定になりがちな俺の想いを誰よりも察知するのが早いのはいつだってにの…。
ありがとう。感謝してる。
ずずっと鼻をすする俺を囲んで、みんなが優しい雰囲気に包まれかけたとき。
「あ、もーすぐ0時!」
相葉ちゃんが、時計をみて声をあげた。
ちょっとしんみりしかけた雰囲気がうまく変わった。
「はいはい、グラスグラス」
「お酒は?お酒」
「シャンパン!この日のために用意した、とっときのやつがある!潤!ちょっ……とってきて!」
俺が、いまだ翔くんの膝を占領してるもんだから、翔くんが焦って声をあげた。
俺は、あわてて体をおこす。