テキストサイズ

Hello

第52章 にのみみ * にのあい


「だいたい、これどうやって手にいれた?」


俺は耳を持ち上げて、相葉さんに確認する。
結構高価な品だし、何よりも、もう店頭では、手に入りづらいってきいたぞ。


「え。これ?スタッフに頼み込んで、売ってもらった」


相葉さんは、当然じゃん、という顔をしてる。


「…………」


そこまでして、ほしかったの?


俺は複雑な顔をして、相葉さんを見上げた。


「……なんに使うのか、誰が使うのか。まさかと思うけど言わなかっただろうな?」

「ゆーわけないでしょ」


即答。


……よかった……そのへんはわきまえてるんだ。


そういうキャラでもない俺が、プライベートでこれで遊んでるなんて思われたくない。

俺が心底安心した顔をすると、相葉さんは、ニッコリした。


「そんなことを気にしてくれるってことは、つけてくれるんだね!」


……しまった。


俺が、思わず固まってると、相葉さんは、ちゃっちゃと俺から、猫耳をとりあげ、俺の頭に乗せた。
手早くセンサーも装着され、俺は一瞬で、あやしい猫ムスメ……改め、猫男になった。


「あはっ。今安心してくれてるんだね」


相葉さんがうれしそうに俺の頭をよしよしとする。


「…………」


そっと耳をさわってみたら、微妙にたれた位置をキープしてた。


……やだな、なんか読まれてるみたいで恥ずかしい。


ただの玩具といえはそれまでだが、意外と心を忠実に表現してくることは、こないだ番組で使用して分かっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ