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Hello

第52章 にのみみ * にのあい


今日の仕事の話などを、うだうだしゃべりながらグラスを傾けていると、いつしか耳の存在なんか忘れていたけど。


「ビールのおかわりいる?」

「うん。ナッツもちょうだい」

「ふふ……鼻血でちゃうよ」


鮮やかに微笑みながら、相葉さんは、戸棚から大きな缶をだしてきて、カシューナッツやマカダミアナッツをざらざら皿に入れてくれて。

嬉しいなぁ、どれからたべよう、と思ってたら、ウィン、と頭で耳がピクピクって動いたのがわかって自分が猫男なことを思い出した。


俺は、ピーナッツを口にほおりこみながら、相葉さんを上目遣いに見つめる。


「ねぇ……これいつまでつけとかなきゃいけないの?」

「ん?もっともっと、にのの可愛さを堪能してからね」

「…………」


ウィンと鳴った。


「あは。耳がピコンって立ったよ。」


緊張してんの?と、相葉さんにからかわれて、頭に手をやる。
確かに耳が立ってる。

いや……だって。
もっともっと……って?



「……察しがいいね」


相葉さんが、ふふ、と笑った。

その瞳には妖しい色が浮かんでいて……俺は、ビールをごっくんと飲み込んだ。

この流れは……もしや。


俺が固まっていると、微笑みながらゆっくり立ち上がった相葉さんは、俺の傍らに立ち。


「……このまま、してみない?」


俺の返事を待たずして、俺の唇は、相葉さんに、はむっと食べられた。

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