Hello
第53章 可愛い人は ② * 山
「…はぁ……もう…なに考えてんの……」
非難めいた呟きに、俺は、黙って智くんの肩を強く抱き寄せた。
熱い体が落ち着くように、上下する細い肩をさすり続ける。
しばらくして、智くんの呼吸がもとに戻ったのを確認して、そのふくれた頬にチュッとキスをした。
「……すっげー可愛かったからさ……途中でやめれなかった」
「……いや、でもさぁ……外じゃん?」
「うん」
「バレたら……メンバーみんなに迷惑かかんだよ……?」
「バレない自信があったからやったんだよ」
「たまたまバレなかっただけでしょ。そんな博打みたいなことしないでよ」
「ふふ……ごめんごめん」
ぶうたれる智くんの頭を、俺は安心させるようにポンポンとたたく。
「でもさ、そもそも、あなたがりんご飴をエロく食べるからだよ?」
「……え?」
「あんな風に舐められたらさー」
「はぁ……?俺が悪いの?」
智くんが、ムッと口を尖らして俺を見上げる。
「そ。可愛すぎるのが罪」
俺がしれっといって、また頬にキスをしたら智くんは真っ赤になってうつむいた。