Hello
第59章 The best smile*バンビズ
白い肩は、少しだけ小さくなった気がする。
俺は、彼の髪の毛をそっと撫でた。
一時期パーマをあてていた髪は、傷んでるかと思いきや、相変わらずサラサラで、指通りがよい。
グループ活動中は、常に気を配り、ライブを作る俺が動きやすいように、周りとの調和や、情報収集に動いてくれていた。
ライブラストの、彼の涙を、俺は、一生忘れないだろう。
「……翔くん」
愛しい愛しい人。
そっと抱き寄せたら、綺麗な眉がひそめられ、寝ぼけた瞳が、ぼんやり開いた。
「…………?もう、朝……?」
「うん。おはよう……翔くん」
二重の大きな瞳が、俺に焦点をあわせ、ふわりと笑んだ。
「……おお……おはよ」
「体は?痛くない?」
「……わかんねーわ……まだ」
翔くんはぼんやりと答える。
キリリとした強気な瞳が大好きだけど、こんなポワポワしてる瞳も大好きだ。
俺は、そっと顔を傾けて翔くんの唇を塞いだ。
ゆっくり離せば、少し赤くなった顔で、
「……朝からサカるな」
と、口を尖らす。
まったく可愛いことこのうえない。
「いいじゃん……俺、誕生日よ?」
「それとこれとは……」
「翔くん、今日は?」
「……zero」
「じゃあ……できるね」