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Hello

第60章 ⭐️⭐️⭐️ * 大宮


Miya in 二ノ国


目の前で微笑むマサキを見てると、大の国での日々を思い出し、懐かしい感情にかられる。

彼は本当に昔からずっと変わらない。
爽やかな好青年だ。

その屈託のない笑顔は好ましくて、マサキは、当事者でなければ、おすすめしたい王子の一人だ。
もちろんジュンも、ショウも、サトコ様目当てじゃなければ、もっと腹をわってつきあいたい人物だ。
みな、一国の王族であり、皇太子でもあるから、意識も高く、これまでのおつきあいから素晴らしい人間性をもつ方々なのは、承知してる。

だが、いかんせん全員が恋敵。
マサキにいたっては、俺狙いだというから、驚きだ。

……まぁ、また状況がかわれば、関係性もかわるのだろうけれど。


「だから……ねぇ?聞いてます?」

「ふふっ……聞いてます」


変な顔をするマサキが面白くて笑ってしまった。


「もう…そんな時期なのですね」

「そうですよ…」


サトコ様の誕生日が、あと一月もすればやってくる。
迎えにゆくのは、彼女の誕生日と決めているが……今年はまだ無理だ。


「今年は、大の国で誕生日会を開かれるそうです。ミヤさんはどうするんですか?」

「招待状は届きましたが……俺は行きません」


胸を張って会える基盤を作るまでは、会わないと決めた。
サトコ様もそれはわかってくれるはずだ。


「そうですか。……なにか、ことづけはありますか」


俺の答えが分かっていた、というようにマサキは頷く。

俺は、考えをめぐらし、立ち上がった。

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