Hello
第60章 ⭐️⭐️⭐️ * 大宮
「ところで、サトコ様。今日は来客がございます」
「…………?」
口を尖らせた俺が、誰だよ?と目で促すと、マリウスは、たったいま話題にのぼった三人の王子の名前をあげた。
「……なんで?」
なんで三人?
俺はきょとんとしてしまう。
一人ずつ単独でお茶をのみに来ることはあっても、三人が揃うことはそうそうない。
それこそ、誰かの誕生日会だとか、そういう行事のときでないと、予定をそろえるのは難しいはずだった。
一応あいつらも皇太子としての仕事もあるから、忙しい立場のはずだし。
不思議に思いながらも、俺は着ていた黄色のカジュアルなワンピを脱ぎ捨て、用意されていた紺の長い丈のワンピースに袖をとおした。
マリウスに呼ばれた別の侍女に、髪を結わせ、背筋をのばす。
人に会うのは久しぶり。
まして、この三人セットとは、いつぞやのショウの誕生日会以来かもしれない。
「……では。皆様そろそろ到着されたようですので、応接室に向かいましょう」
このメンツで会うには、隣にミヤがいないのが心細いけれど。
俺は、腹に力を込めて一歩踏み出した。