Hello
第60章 ⭐️⭐️⭐️ * 大宮
部屋に入ると、三人の青年が一斉に立ち上がった。
「お久しぶりです。姫」
爽やかな笑顔で、一礼してくれるのはショウ。
「……こんにちは、姫」
そして隣から、より優雅な物腰で、笑って出迎えてくれるのは、ジュン。
あの二ノ国以来、何回かそれぞれと単独で会ってるけれど、二人揃うのは久しぶりだった。
二人のツーショットをみると、嫌でもあの日を思い出す。
二人とも体をはって……俺を守ってくれた。
「…………どうしたんですか?そろって珍しい」
感傷的な気持ちにならないように気を付けながら、たずねると、ジュンがイタズラっぽく微笑んだ。
「ふふ……あなたが寂しがってる頃だと思って。俺らでプレ誕生日会をしに来ました」
「プレ……」
オレが唖然としてると、反対側にいたマサキが、ぺこっと礼をして、ニッコリ笑った。
「……首謀者は、ジュンです。四人でスイーツを食べて、お話しましょう。たまにはいいでしょう?」
何もかもをうけとめてくれるような、深い笑顔。
俺は、スカートを握りしめ、どうしたものかと傍らのマリウスを見上げると、その出来た男は、分かっていますとばかりに、バルコニーを指差した。
「あちらにティーセットをご用意しております。カトリーナも承知しておりますので、じきにケーキなども届くでしょう……みなさま、どうぞ」
「………………」
いつのまにか出来上がっていたこの予定は、マリウスとジュンの密な連絡によるものだと理解した。
俺が寂しがる頃だと。
わかっちゃうんだ……こいつらは。