Hello
第62章 やさしくて * にのあい
キスされた、と認識した時には、ニュルっと温かな舌がさしこまれて、口内を優しく愛撫されていた。
どきりと心臓が高鳴る。
「……んっ」
カウンターテーブルに隣同士に座っていたのが良いのか悪いのか。
相葉さんは身を乗り出し、俺の肩を引き寄せながら、そのまま深く口づけてくる。
俺はフォークを握りしめたまま………されるがままだ。
「……ふっ…怖いから凶器はおろして」
くすっと囁かれ、相葉さんの大きな手が俺の手からフォークをとってゆく。
「はっ……ぁ」
離された唇を見上げ、はぁ…と息継ぎをしてると、相葉さんは、にこりと笑って、俺の頭をポンポンと撫でた。
「大好きだよ」
「…………」
「カズ」
「…………」
「大好き」
「……………そんな何回も言わなくても」
「言いたいの」
「……………」
「大好きだよ」
「…………わかった」
ぼそりと返すと、相葉さんは俺の腰を引き寄せて大きな胸で抱き込んできた。