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Hello

第62章 やさしくて * にのあい



相葉さんの少し高めの体温は、とても心地いい。
広い胸に抱き込まれるとすごく安心できる。

もっとくっつきたくなって、俺はスツールから滑りおりて、おずおずと相葉さんの胸にしがみついた。


「…………」


不安定な体勢だった相葉さんも、黙ってスツールからおり、応えるように、俺をより一層の力でぐっと抱きしめてきた。


カウンターの横で黙って俺たちは抱き合った。


彼の広い胸に頬をあてると、トクントクンと鼓動を感じる。


何よりも安心できる場所。


好きだよ…俺も。


心で呟いた。


「寂しかった…?」

相葉さんの大きな手のひらが、俺をあやすようにポンポンと背中をたたく。

それには答えず、だまってると、


「………カズ」

「……ん?」

「しよっか」

「…………」

「したい」

「……………」


心臓が早鐘をうつ。

この低音に俺は弱い。


「…………うん…」


俺はこくんと頷いた。
相葉さんの俺を抱きしめる腕に力がこもった。

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