Hello
第34章 はれやか * にのあい
Aiba
もうすぐつく、というにのからのラインを確認して、キッチンに入った。
待ってる間に作ったパンプキンスープをあっためる。
買ってきたカボチャのパイも、レンジでチン。
カボチャだらけで嫌がるかな、と思いながら、テーブルには、ジャック オ ランタンの、フィギュア。
少しでもハロウィンパーティー気分を出してやろうと、自分も仮装して、準備万端だ。
数年前に買った、お魚くわえたどら猫を追いかける、おっちょこちょいな某アニメキャラの人のかぶりものをかぶり。
フリフリのエプロンという、アンバランスさで
笑いを演出した。
にの、笑ってくれるかなー。
それとも、あんた、バカ?という、ドSな反応かなー、とニヤニヤしてたら、ガチャッという玄関の扉が開く音に気づいた。
俺は、ずれるかつらを手で支えながら玄関に走ってゆく。
「お帰りー!にの!」
「……なにそれ。面白いことしてんじゃん」
満面の笑みで出迎えたら、にのは、穏やかに笑ってみせてくれた。
…良かった、冷ややかな反応の方じゃなくて!
内心胸をなでおろして。
「でしょでしょー、俺可愛い?」
「いや。可愛くはない」
「ひど」
じゃれあいながら、リビングに向かおうとすると、ふと、にのがいたずらっぽい笑みを浮かべて、俺を見た。
「俺も着替えよっかな」
「ああ、それじゃスープよそったりしてるね」
俺は、このとき、てっきりにのは、部屋着に着替えるんだと思っていた。
ジーンズじゃ体がきついから、スエットくらいになるのだろうと。
だけど、数分後。
「じゃん」
寝室からリビングにでてきたにのを見て。
……俺は思わず持ってたパイをテーブルに取り落とした。
にのが、あ、という顔をして。
「あー!ちょっ…落ちた!もったいな…」
「にのっっっっ」
にのの声を遮って俺は思わず絶叫。
「おまえっ…それ犯罪!!」
「え。可愛いだろ?」
慌てふためく俺をよそに、あざとく笑ってみせるにのは、フワフワのピンクの…衣装と呼んだ方がいいような着ぐるみに身をつつみ。
真っ白なナマ足をさらけだして、ポーズをつくってみせた。
「…うさぎだぴょん」
「ぴょんじゃねー!なんちゅーハレンチな格好…!」
「え。でも、これこないだ番組で着た」
はああああ?!