Hello
第35章 大野さんと僕ら
この人は……。
俺は、フォークを咥えたまま、ふてくされたようにも見える顔をしてるリーダーの横に移動する。
そうして、その小さな肩を、そっと抱き寄せた。
「……そんな。急にかわいいこと言わないでよ」
「可愛くねーし」
「え。俺が女優さんといるの嫌だ?」
「……」
「ねぇ」
ふわふわの髪にキスしたら、リーダーはきゅっと体を縮こまらせた。
そんな風に、言われると、そんな風に反応されると、我慢できないじゃん!
可愛すぎるでしょ!
「もう……煽るのうまいんだから」
俺の声のトーンが変わったのがわかったのだろう。
リーダーは、慌てて顔をあげたけど。
……いや、もう遅いよ?
俺はリーダーの髪の毛に指をくぐらせた。
「ちょっ……ここどこだと……」
「楽屋」
「ダメだ……ばかっ……んう」
制止を聞かずに、俺はソファにリーダーをどさりと押し倒して。
クリームの味のする唇に吸い付いて、その甘い柔らかな感触を存分に堪能した。
「大丈夫……最後まではしない」
「ん……っ……ぷはっ……あ、あたりまえ……んんっ」
素直じゃないのか、素直なのか。
つかみどころのないリーダー。
そんなあなたに、……俺は首ったけ。
fin.