Hello
第35章 大野さんと僕ら
智の香りに包まれて、気分よく目を閉じていたら、俺の髪をすく指先が、少しずついやらしくなってきた。
警戒してその手を、はしっとつかむ。
「……ちょっと」
「ん?」
「無理」
「あと一回くらいいけんだろ」
「無理だっつの……んん……っ」
無理矢理腕をシーツに縫い止められた。
そうして、首筋をぺろりとなめあげられたら、体がびくりと震える。
「おまえ、白いからなー。せめて赤くしてやるよ」
「……馬っ鹿じゃないの?ちょっ……」
チクリチクリと体に吸い付かれて。
その刺激に体が跳ねる。
すでに一回戦をしてるから、下半身はだるいはずなのに、その手つきに再び血液が一ヶ所に流れていくのが分かる。
「ほーら。おまえも満更でもねぇじゃん」
嬉しそうな声音に、抵抗することはあきらめた。
明日は昼からだから、この人に朝ごはんつくってもらうとしよう。
……たぶん、体は動かない。
俺は、智の手つきに体を委ね、甘いキスをねだった。
「深くして……」
「合点」
fin.