僕のまーくん。
第11章 それぞれの誤解
「二ノはさぁ、相葉くんとはいつから?」
翔ちゃんが、かずくんを見つめながら急に切り出してきた。
…………いやっ!はっ?いつからって、はっ?!
横に座ってるかずくんの右肩が、ピクリと揺れたのを感じた。
「えっ?何がいつから?……ですか?」
って、ちょっとかずくん声が、裏返っちゃッてますけど……
「幼なじみ歴🎵」
翔ちゃんが答えて、あ~そっち!そっちねってホッと胸を撫で下ろした。
「2才の頃からだから……14年?」
かずくんが翔ちゃんに返す。
そうだ!そうだ!こっちはそれだけの長い年月をずっと一緒に過ごしてきてるんだ。
翔ちゃんなんかとは、年季が違うんだぞっ!
隣で心の声がつい、洩れそうになるのをなんとか押さえながら、翔ちゃんに向かってつい、どや顔でニヤついた。
「へぇ、めっちゃ長いね~~」
僕の左側に座っていた、大ちゃんの隣から松本くんが、ニコニコしながら話に入ってきた。
「ふぅん」
翔ちゃんは一言だけ返す。
「ねぇ、そんだけ長く一緒にいたら、知らないことなんかないんじゃね?」
大ちゃんと僕を挟んで、かずくんに向かって又、松本くんが聞いてきた。
「そうでもないよ……」
かずくんが言う。
かずくんが喋ったと思ったら、又翔ちゃんが入ってきた。
「知らないことだって、いっぱいあるんじゃない~?だって四六時中、一緒って事じゃないんだし?むしろ、学校じゃ、オレ達の方が、二ノより相葉くんとは、ずっと一緒じゃん!!」
って、これまたニコニコしながらペラペラ話す。
チラッとかずくんに目をやると、
ん?
何だか、かずくん不機嫌モード発動?
翔ちゃんは、すごいこっち見ながら喋ってんのに、お目めを合わそうとしないかずくん。
お口も、ちょっといつもの拗ねてる状態になってませんか?
ヤバい!かずくんが不機嫌になっちゃうと、だんまり決め込んじゃうからなぁ……
なんとか話題を変えなきゃ……
僕の左にいる大ちゃんに、
「大ちゃん、夏休み何してた?暇だったの?」
いきなり、振った。
大ちゃんは、
「おいら?ずっと絵書いてたよ~」
のんびり口調で話す大ちゃん。
あー、やっぱ大ちゃん喋ると空気が変わるね。