僕のまーくん。
第11章 それぞれの誤解
……さっきから向こう側から、なんか見られてる?
櫻井先輩が、じっとこっちを見てる……
何だろ……ちょっと怖い……
まだ、慣れないせいか、目の前の先輩が何考えてるか分からないからか……
大きな目が僕をじっと見てるけど、パッと目を逸らしてしまった。
戻ってきたまーくんと目が合って、そのまままーくんに吸い寄せられるように、手を伸ばしてハイタッチした。
チラッと櫻井先輩に、視線を流すとやっぱ、まだ見てる。
気のせいじゃないかも……
はっ!!?まさか…………
櫻井先輩、まーくんのことが好きなの?!
違う?!
だからさ、もしかしたら……もしかすると……
まーくんと、ずっと一緒にいる僕にヤキモチ……妬いてるの……?
えぇ~~!どうしよう……そんな事あるわけ……ある……?
潤くんが、落ち着かない僕を見て、
「どした?」
って聞いてくれたけど……言えるはずない。
ガッコ~ン!
あっ!大ちゃん先輩も、投げてた。
……ごめんなさい。
見てなかった……ストライク出したんだ……
大ちゃん先輩も喜んで、ハイタッチしてる。
ニコニコ相変わらず、可愛い大ちゃん先輩だ。
…………櫻井先輩の顔がなんだか、見れない……
もしっ、もしそうだとしたら、まーくんは気が付いてるの?
…………まーくんは、そういう所、なんだか鈍感そう……だよね。
ごめん!まーくん。悪口みたくなっちゃって……
ガッコ~ン!!
あっ、潤くんも投げてた。
外しちゃって、悔しそうな潤くん。
なんだか、ちゃんとゲームに集中出来なくなってきちゃったよぉ(泣)
まーくん、こっち向いて!
向こう側のまーくんに、念を送る。
櫻井先輩と、なんか喋ってるけど周りがうるさくて聞こえない。
パッと、まーくんが気付いた。
僕を見ると、向こう側からニッコリ笑ってるまーくん。
その笑顔に、なんだかホッとする僕。
「次、オレ!」
横にいた櫻井先輩が、まーくんの肩にポンッて手を置いて
「行ってきま~す」
ってちょっとふざけた感じで、ボールを持って出て行った。
何気無い、やり取りもなんだか、イチイチ気になってきた……