
僕のまーくん。
第13章 スマホ事件
「……海、まだはいんねーの?」
翔ちゃんが、砂浜をザッザッとならして
テントの所までやってきた。
……ちょっと、翔ちゃん、かずくんの事
見すぎなんですけど……また……
「もう行くよ!」
僕がそう言うと、
またハッとしたような翔ちゃんが
あろうことか、
「ニノ、早く行こう!」
って。かずくんだけかい?僕は?
僕の存在見えてます!?
「あっ、はい」
かずくんが返事をして、
「よいしょ」
って可愛らしく言いながら立ち上がった。
……おーい、翔ちゃん、だから!
どんだけ、見てんだよぉっ!
しかも、顔赤いんですけど!
かずくんは、
「まーくん、行こ?」
ってまだ、座りこんでる僕の手を
引っ張ってくれた。
翔ちゃんが、そんな僕らをずっと見てる。
三人で、海に向かった。
「おーい!早く来いよぉ~」
大ちゃんが、海の中から手を振ってた。
「ニノ、遊ぼうぜぃ!」
翔ちゃんが、前からさりげなく、かずくんだけ
誘ってる。
「あっ、はい!」
かずくんは
ちょっとひきつった顔をしながら
チラッと僕を見る。
「翔ちゃん、僕の事見えてます?」
わざと聞いた。
「は?相葉くんなにが?」
……くそぉ!とぼけんな!翔ちゃんめ。
かずくんは僕のかずくんなんだぞ!
「早く行くぞぉっ!」
翔ちゃんが、走りながらザバーンと
目の前の海に飛び込んだ。
「かずくん、行ける?」
かずくんに聞くと、
「う、うん大丈夫。」
ってちょっと心細そうな顔をして
こっちを見た。
「お~い、にの!早く来いよぉ!」
松本くんがあっちから呼んでる。
結構な深さの所まで、行ってる感じだな……
「かずくん、あそこまで僕と一緒に行ってみよ?」
持ってた浮き輪に掴まらせて、かずくんと
海に入った。
