
僕のまーくん。
第13章 スマホ事件
N side
ああっ怖いよ。
やっぱ……
「ちょっと、まーくん絶対離さないでよ!」
塩辛い海水が、口の中に入ってきて気持ち悪い。
小さい頃、海に入った記憶が蘇ってきた。
ペッペッと吐いて
うぇ~ッて顔をすると、
まーくんが、クフフフッって笑った。
だってさ、気持ち悪いんだもん。
まーくんが、ゆっくり僕が掴まってる
浮き輪を潤くん達の所まで
引っ張ってくれながら、
ずっと僕を見て笑ってる。
「まーくん、笑いすぎだからぁ」
「だってかずくん、可愛いんだもん!」
プカプカ浮かびながら、
まーくんとこうして、
ちょっと密着しながら進む
んっ!いい感じ!
なんか、だんだん気持ち悪いのも
少し慣れてきた。
と、思ってたら、
ちょっと先に行ってた櫻井先輩が
こっちに引き返してきた。
「相葉くん、遅い~~~」
「はいはい、ちょっと、ニノ貸して❤」
って急に!!何?何~?!
まーくんから、僕の浮き輪を
奪って櫻井先輩が、
ぐんぐん浮き輪を泳ぎながら
引っ張った。
「ちょっと、翔ちゃん!」
まーくんが、後ろで叫んでる。
「せっ、先輩、ちょっと!ちょっと待って!」
「ん~?大丈夫だって!掴まってて!」
全然、僕の言うことなんか
聞いてくれない先輩に。
やっと、海の中に慣れてきた僕は
また、ちょっと怖くなってきた。
「待って!お願いッ!櫻井先輩!」
ぐんぐん引っ張っる先輩に
大声で待ったをかけた。
だって、足も着かない所まで
来ちゃッてちょっと怖い。
「ね~まーくんは?まーくん大丈夫?」
浮き輪を引っ張っる、先輩の動きが
止まった。
プカプカ浮かびながら
先輩がすごい近くまで拠ってきて
「相葉くんは、全然大丈夫。
相葉くんばっか、見てないでよ」
えっ?!
先輩の低い声が耳元でそう言ったのが
しっかり聞こえた。
