テキストサイズ

僕のまーくん。

第13章 スマホ事件



今、先輩……


「相葉くんばっか見てないでよ」

って言ったよ……ね?


しかも、近い!近いよ!先輩ッ!


浮き輪にプカプカ浮かぶ僕の、すぐ側に
櫻井先輩の大きな綺麗な目があって……

僕は、どうしようも身動き出来ず
固まっている。


後ろから、


「翔ちゃん!ちょっと待って!」


バチャバチャと一生懸命泳いで
たどり着いたまーくんが、僕の浮き輪に
捕まった。


浮き輪に掴まってる、イケメン二人に
挟まれてる状態の僕。


僕の様子を見て、
まーくんが櫻井先輩に

「翔ちゃん、かずくん海
怖がってるんだから。
手加減してあげてよぉ」


って言った。


「ニノとふたりになりたかったんだよ」


にっこり笑いながら
先輩が言った。


さっきの、真面目な顔は消えて
ちょっとふざけたような……

本当……この人、何?
よく、わかんないや。


「翔ちゃん……」


まーくんが、なんだか真面目な顔してる。
どうしたのかな?


その時、

バチャバチャと水飛沫をあげながら

潤くんが、泳いでこっちまで
来てくれた。


「どした~?大丈夫~?」


って。

なんか、良くわかんないけど
潤くんが、来てくれて良かった。


「にの、怖いなら1回戻る?」


って言ってくれて。


「うん、やっぱ戻る」


ってまーくんの顔見て言った。


まーくんも、

「うん、戻ろ?」


ってまた、浮き輪を引っ張って
行ってくれようとした。

瞬間

グイッ!


浮き輪が、違う方向に引っ張り返されて


「相葉くん、あっちで智くん
待ってるからさ、行ってきなよ?
俺がニノ連れてってやるから!」


櫻井先輩が、強引にまーくんにそう言って。
  
「ね?大丈夫!何にもしないから!
保護者様!!」

………………。

「ちゃんと、陸まで無事に
お連れしますからっ!」

って、にっ~こり笑ってまーくんに言った。

まーくんは、心配そうな顔して

「……じゃあ、翔ちゃん、かずくん、ちゃんと、
連れてってあげてよ!」

櫻井先輩に、そう言って、僕に

「かずくん大丈夫?」

って聞いてくれた。

あんまり、変に櫻井先輩を
避けちゃうと、僕らの秘密の関係が
バレちゃうかと思った僕は


「大丈夫!まーくん泳いできて。
向こうで待ってるから。」


精一杯頑張って言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ