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僕のまーくん。

第13章 スマホ事件



なんか……


この人、よく読めない……


それに、今のこの状況も、
よくわかんないや。


まーくんじゃなくて、なんで
櫻井先輩に連れてってもらってるんだろ……

ふたりになるなんて初めてだし……
やっぱ、人見知り発動だ。



……それに、さっきの……

どういう意味なの?



「先輩……すみません……」


僕は、とりあえず引っ張って行って
もらってるこの状況を、
謝った。

先輩が泳ぎながら、ん?って
振り返った。


「あの、僕…」


浮き輪に掴まりながら、シュンと
落ち込んでしまった僕……


「迷惑かけちゃって……」



それだけ言ったら
泳ぐのを止めた先輩が、


「ニノ」


先輩が、持ってた浮き輪を自分の方にグイッと
引き寄せた


勢いで、僕は先輩と顔が
ものすごい近い距離になった


まだ、底に足が付かずプラプラしてる僕は
先輩から、離れたくても浮き輪から
出る事も出来ず……


そのままの状態で


「……先輩ッ、ちょっと近い……ですッて……」


と言うしかなくて。


まーくんは?!って思って
後ろを振り返ったけど、


潤くん達と一緒にいる姿が
ここから離れた所に小さく見えた
 
「ニノ」

もう一度呼ばれて、先輩の方を
振り返った。

なんだか

櫻井先輩が、苦しそうな……
表情をしている

「先輩?」

呼んだら先輩はそのまま
僕をじっと見つめ返してきた


「……相葉くんばっか見てないでって
さっきも言っでしょ?」


えっ?!


「……どういう意味ですか?」


近すぎる距離が、僕はちょっと
どうしていいか分からなくて……

先輩から、反射的に目を逸らした。

「ニノ、こっち見て」



「は、はい?」


こっち見てなんて言われるから、
また、反射的に先輩の方を向いた


なんか……早く戻りたい……
なんで、まーくんの事見ないで……なんて
まさか、気付かれてる?
だから?


足が着かない、この状況が
落ち着かない。


しかも、何?

さっきから、近すぎる距離で
すごい見てる先輩……怖いよ


まーくん、助けて!


何にも返せない僕に、先輩は



「相葉くんと付き合ってるの?」


いきなり聞いてきた


えっ?はい?


今なんておっしゃいました?


















   




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