
僕のまーくん。
第13章 スマホ事件
A side
大ちゃんと、潤くんとボート型の
浮き輪に掴まって
ビーチボールを楽しんでたんだけど……
ああッ!!
気になる!
やっぱ、気になる!
気になって仕方ないッ!
こっからは、遠くなっちゃって、小さい
翔ちゃんとかずくんが、ようやく
見える感じだ。
あぁ~ちゃんと、かずくん
連れてってくれたかなぁ~
何にも変なことしてないよね?
翔ちゃん!
信じてますよっ!
僕はあなたを!
はたと、松本くんがこっちを見てるのに気付いた。
「ん?何?松本くん」
なんか、笑ってるし。
「相葉先輩~そんな気になるなら、
行ってくださいよ!」
……あっ、松本くんには、
バレてたか……ハハハ
大ちゃんは?
大ちゃんは、プカ~ッて上向いてお日様
と仲良くしてた。
何にも聞いてないね。あれは。
「ごめん!松本くん後でね!」
「はいはーい!」
松本くんが浮き輪に乗って、ヒラヒラと
手を振ってくれた。
バチャバチャバチャバチャ!
結構、沖まで来てたのかなぁ~
泳げば遠いや。
あ~かずくん、翔ちゃんとふたりきりに
なんて、本当にごめんよぉ~
人見知りも、出ちゃッてるかもね……
翔ちゃん、グイグイいきそうだし、
困ったかずくんの顔が目に
浮かんじゃうよ。
あ~疲れたよぉ~
もう、ちょっとだ!
そこら辺にはもう居ないと
一旦キョロキョロ確認して
ようやく、砂浜にたどり着いた僕は
テントに目を向けた。
あれ?いない?
…………ふたりで、
どこ行くっての?
アイスでも買いに行ったか?
キョロキョロ歩いて探す僕。
海の家まで、戻ってきた。
ロッカーのとこに、見慣れた
後ろ姿があった。
「かず……」
声をかけようとして。
翔ちゃんと話してるのが見えたから
呼び掛けて、途中で黙った。
ん?何やってんの?なんか翔ちゃん
スマホ持ってる?
下を向いてふたりでなんか
やってるのが見えた。
ちょっと斜めに角度を変えて、
ふたりの様子を見たら
あっ!!
かずくん、スマホ!
あ~!言ってなかったんだったぁっ!
翔ちゃんには、かずくん、持ってないッって
事になってるんだったのに!
あ~なんで?なんで?
