
僕のまーくん。
第15章 揺れる想い
A side
「翔ちゃん……かずくん、待ってるし
もう、行こう?」
翔ちゃんに色々勝手に宣言されちゃって
ちょっと疲れちゃったなぁ
はぁ……
小さな丸くなった猫背姿が
ベンチに座っているのが見えた。
なんか、ちょっと心細そうに
ここから見える。
……かずくん、ごめんね。
僕が声かけようと思ってたら
「ニ~ノ🎵」
翔ちゃんが、ご機嫌で先に声
かけた。
かずくんが振り返って、僕と翔ちゃんを
交互に見た。
「まーくん…僕……」
かずくんがなんか言いかけたけど
翔ちゃんが、それに被せるように、
「ニノ、お待たせ!
あっち行ってアイス食べよ?」
って連れて行ってしまった。
「なんなんだよ……翔ちゃん……」
ボソッと、一言呟く僕。
「かずくんは、僕のなんだよ……」
心の声が漏れた。
外に出たら、
「ほら、相葉くんもっ!」
あっ、アイスは買ってくれてたんだ……
基本、翔ちゃんは優しい。
かずくんに関しては、親友だけど
ライバルって事なのね?
……ライバルか……
僕の気持ちは、翔ちゃん気付いてる。
付き合ってるのは、秘密なまま。
どうしたらいいんだろう……
早く、素直に
「僕らお付き合いしてます!」
宣言したほうがいいのかな?
……かずくんは言ってないのかもね。
確かめたい。
あ~でも、ずっと翔ちゃんに捕まったまんま。
