
僕のまーくん。
第21章 衝動
A side
泣いてるかずくんに、翔ちゃん家で
なんかあったのは、間違いない。
かずくんから、聞き出す前に胸が
さっきからザワザワしてる。
僕は、この先の話を
聞いても大丈夫かな?
………………翔ちゃん、
かずくんに何したの……?
かずくんの口から聞き出せるか、
分かんないけど、内容次第じゃ
今すぐ、翔ちゃん家に引き返して
ブッ飛ばしてもいいくらいなんだけど!
こんな感情、感じたことない
くらいに、頭の中が沸騰してる。
顔に出てても、仕方ないっての。
……そもそも、かずくんも翔ちゃん家
までなんで上がったりしたのかが
分からないから。
かずくんなら、警戒してまず
家の中まで行く事なんてしないはず
だろうから。
まず、そこにも疑問だった。
聞いてもいいかな?
僕が聞いたら、
隣のかずくんの、猫背になって
ますます小さくなってる肩がビクンって
揺れるのがわかった。
かずくんが、僕の様子を伺うように
話すから、大丈夫ってちゃんと見せて。
続けて、と目でも促して、
そこまで聞いて、翔ちゃんが仕掛けた
事ってのは、わかった。
……でも、泣いてたくらいだから……
きっとまだなんかあるよね?
「かずくん、部屋で翔ちゃんに
なんかされた?」
しつこいようだけど、
そこ重要だから。
もう一度かずくんに聞いた。
ビクンと、またかずくんの
肩が揺れるのがわかった。
