テキストサイズ

僕のまーくん。

第5章 同じ想い


とにかく、キャーキャー両サイドにいるミーハーな女子たちがうるさかった。

まあ、いつもの事なんだけど‥……今日は特にそのキャーキャーにイライラする自分がいた。

まーくんの何をお前らは知ってるんだよ?

こっちは、かれこれ10年以上の付き合いなんだ。


って女子たちが知らないとこで、勝手に訳もわからない事で競いあってる自分。ハハハ。


ふと、まーくんのこっちを見てる視線とバチッと絡まった。


ドキン❤


まーくん‥……‥……。


小さく手を振ろうと、左手を挙げかけたその時。


僕の視線から、フイッとまーくんの視線が外された。


‥……‥……‥……‥……‥……‥えっ……‥……‥……。



なんで‥……‥……‥……。





挙げかけた左手が、そのまま固まって‥……僕の心もスーッと冷たくなっていった。



どうして?


まーくん‥……。


今の何?


明らかに逸らされたよね?目‥……‥……


いつも、キラキラッで眩しいくらいの笑顔を向けてくれるまーくんは、今完全に僕を避けたように目を逸らした。



‥……‥……‥……‥……‥……‥……‥……‥……‥……。



しばらく固まったまんま、ボーッとまーくんを眺めていたけど、二度とこっちを振り返ってくれる気配がなかった。


両サイドから、まだキャーキャー騒いでる女子達の横をスルリとすり抜けて


僕は、体育館をあとにした。




ガラガラ。

「ただいま」


「あら、かず、お帰りなさい。早かったのね」

母さんが言ったけどそれには、答えず僕は自分の部屋に入った。




ボスン。


布団にそのまま倒れこむ。



‥……‥……‥……‥……‥……‥……‥……‥……。



まーくんのバカ。バカ。バカ。バカ。バカ。


無視するなんて、ありえないよ‥……そんなこと、今まで一度もされたことないよ。


なんで、あんな態度なんだよ。


僕は、今日伝えたかったんだよ‥……朝のキス‥……まーくんが、このままでいてもいい?って言って抱き締められたの、本当は凄く凄く嬉しかったんだから。


だから、絶対言わないって思ってた僕の気持ちを言おうって思ってたのに!!


なんでだよ‥……


自分の部屋の布団に気が緩んだのか、急に涙がボロボロこぼれだした。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ