僕のまーくん。
第29章 ついに……
Aside
可愛いかずくんに、夢中になりすぎて、
大事な事を忘れていたのをふと
思い出した。
……ゴムもローションも何にもない……
まさか、今日こんなシチュエーションに
かずくんとなってしまうなんて、
思ってもいなくて。
しまった……
かずくんに、なんて伝えよう……
せっかくいい雰囲気で、盛り上がって
たのに……
僕は、ムードも何にもない男だよな。
かずくんに嫌われちゃうかもしれないけど……
大事な事だし。
何にもなくて、やろうなんて、
それこそ愛しいかずくんを
傷つけたくないし。
情けない……やらなんやら。
色んな感情が、一気に押し寄せてきて……
でも、女の子とも経験ない僕らは
仕方ないよね。
もう、言ってしまおう。
A「あのさ……僕今日やろうなんて
思ってなかったから……なんていうか……」
あー、なんて言やぁいいんだよぉ!!
かずくんが
「ん?何?」
って下からちょっと心配そうな目で
見てる。
あー!ごめんっ!
かずくんを不安にさせたくはないんだよぉ。
僕が、急に真面目な顔して切り出すから……
A「えっと……このタイミングで言って
いいのか……」
N「どうしたの?まーくん……急に
止めたくなった?」
!!
違うっ!かずくん違うんだ!
そうじゃない!
あぁ、もう言ってしまおう。
こんな可愛い子に、こんな格好で
焦らすように待たせてしまって!
泣きそうになっちゃってるし、
本当にごめんかずくん!
A「ごめん!かずくん本当にごめん!
あのね、僕何にも持ってきてないの」
言った。
言ってしまった。
残念すぎる彼氏だよね……あぁごめん。
かずくん。
N「えっ?何にもって?何を?」
下からかずくんが、えっ?よく分からない
みたいな、これまた可愛い顔で僕を見てる。
A「だから、そのゴムとか……色々……」
言っちゃいました。
本人にこのタイミングで伝えてしまいました。
だって、いざそのタイミングになって
ありません。じゃ、まだやだよね?
本当にごめんって思ってたら、急に
かずくんが
N「あー!忘れてたっ!」
って大声を出したから、
僕はビックリした。