
僕のまーくん。
第30章 ダブルデート的な?
N「えっ!?はっ?潤くん!」
言ったと同時に
今、横を通り過ぎて行ったばっかりの
櫻井先輩が、一瞬店を出ていく前に
チラッとこっちを振り返って、
「はぁ…」ってため息をついた感じに
見えた顔も同時に目に入ってきた。
J「ちょっ……あっ!畜生っ!」
潤くんも、僕と櫻井先輩を交互に
見ながらどっちを優先しようか、
一瞬悩んだようで。
店を出て行った櫻井先輩を仕方なく
諦めて、はぁっと大きなタメ息を
ついて、僕に向き直った。
J「ニノ!久しぶり。ハハッ」
……ハハッって。
N「ねぇ……今の、何?」
眉を寄せながら潤くんに聞いた。
J 「お見苦しい所を見せてしまい
申し訳ございません!」
わざと、お茶らけて言う潤くんに
もう一度聞いた。
N 「やっぱ、付き合ってんだ」
J「そだよ。」
何の気なしに答える潤くん。
なら、この前の学校で見たキス現場の話。
してもいいよね?
N「僕見た」
J「は?」
N「学校行ったのよ。あの日。」
J「は?来たのかよ?探したんだぜ。
今から学校行くってラインくるしさ……」
N「だから見たのよ」
J「何を?」
N「あなたと先輩を」
そう言ってニヤリと笑いながら
潤くんをみつめた。
J「……どこで?」
潤くんもなんだか、ニヤニヤしてるし。
N「部室……覗きました。」
J「はぁ?変態かよ~!」
N「変態は、あんた達でしょ?
あんなとこで、あんな濃厚な
チューしちゃってんだから!」
本屋さんという事を忘れたボリューム
で、僕が話すから
潤くんが「しぃーっ!しぃっ」って
慌てて、僕の口をふさいだ。
J「くそっ!見てたのかよぉ」
ブツブツ小声で文句言ってる潤くんに
N「まーくんも見たよ」
ってボソっと言ったら、潤くんが
すかさず僕の腕を引っ張って、
店の外に連れて行かれた。
