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僕のまーくん。

第32章 ライバル出現!?


先生がなんか、これからの予定とかを
話始めてる間に、
潤くんに「ねぇ……」って小声で聞いた。

N「名前、なんだっけ?」

前の席の人の後ろ姿を、机の下で指差しながら
潤くんに合図を送った。

潤くんがその人を、ちょっと見て

「えっと、綾野じゃね?」

聞こえないような小声でそう言った。

綾野?

後ろ姿と、その名前を聞いても
ピンとこない。

身長高いんだと思う。
まーくんくらいあるかな?

座っててもさ。
僕、先生から見えてないんじゃないかって
くらい隠れてる。

ふわふわした、ちょっと長い髪型で。
後ろ姿をまじまじと見てしまう。

顔、見ても僕わからないかもな……

いい加減、今学期は全員の顔と名前くらいは
覚えなきゃなぁ。

何となく、潤くんの前の席の人も見たら
女子だった。
顔は分かるけど。
名前……分かんないや。

窓の外の景色を、頬杖附きながら眺める。


……やっぱこの席、最高!

前の席の綾野?って奴のおかげで
盾になってくれてるから先生からは
見えないし

一人だけ、クラスのみんなとは別な
空間にいるような感覚になる。


基本、一人が好きな僕はやっぱ神席だわ。


さい先いい、スタートが切れたなぁ
なんて考えてたら、

何かのプリントが前から配られてる
のが見えて僕は、一番後ろの席で何にも
しないで待っていた。


前の席の奴が振り返った瞬間。
プリントを渡されて。

その長い前髪の間から、一瞬僕を見たその
スッとした切れ長の鋭い目と
バッチリ目が合った。


N「ありがと」



目が合った時に、やっぱり顔分かんないやって
思った僕は初めてのコンタクトは
やっぱちょっと
大事かなって一瞬考えたから、
ちょっとだけ愛想よくして
そう言ってみた。


ペコリ。


綾野くんは、何にも言わずそれだけして
すぐに又前を向いた。


……あらら。


余りお愛想ない方なのね。


まぁ、全然いいけどさ。


むしろ、そっちのがいいかもなんて
思いながら。
人と余計な関わりは余り
持ちたくない僕としては。

逆にその対応がウェルカムだった。


先生の声だけ、聞こえてくる状況で
説明されてるプリントに目を通した。


「体育祭応援団募集について」


……うぇ~面倒くさそう。


持ってたプリントをポイっと机に投げた。














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