
僕のまーくん。
第34章 本当に誰なの?
綾野くんから返事はなかった。
席に着いて、教科書を出しながら
また、この前の紙切れを思い出した。
恐る恐る、机の中を覗いたけど
何にも入ってなかった。
良かったぁ……
なんか、心底安心した。
朝から、又なんか入ってたらって
考えただけで、憂鬱だったから。
教科書を全部しまって、窓から外を
眺めた。
しばらくボーッとしてながら、
前に座ってる綾野くんとの
さっきの会話を思い出す。
自分で治療してすぐに出て行った
って言ってたし。
あれは、やっぱり夢で違ったのかも。
って思えてきた。
しかも、綾野くんの事、勝手に変な
風に誤解して。
悪かったな……
心の中で、ごめんねって小さく謝って。
後ろ姿の綾野くんを何となく見ていた。
話せば普通に会話は出来る。
多分、シャイなのか僕みたいに
人と話すのが慣れるまで、結構時間
かかっちゃうタイプなのかもね。
クラスメートだし、今後しばらく
席もここだし。
何かと関わりあるかもだから、
普通に会話出来るくらいになれたら
いいけど。
その時、横から
J「にの~おはよう!出て来れたんだなっ」
潤くんが、いつもより濃いイケメンスマイル
で、ニコニコしながらこっちを見ていた。
