
僕のまーくん。
第35章 あいつだ!
Aside
間違いない!
かずくんの前の席の奴、別に紹介なんて
されなくても良かったんだけどさ。
廊下のほうから、確認してその横顔、
それから座ってる姿に見覚えがあった。
あいつだよ!!
夏休み前から、僕らをつけ回ってる
ストーカー野郎。
まさか、かずくんのクラスメートだったなんて。
デカイし、一年には見えなかったよ。
窓際で本を読んでる、その佇まいにジッと
見ながら再度、確認した。
やっぱり、あいつだよ!
綾野君?って言ってたっけ?
かずくんは、さっきの話じゃ、保健室での出来事は違うなんて言ったけどさ。
なんだか、引っ掛かって仕方ない。
僕らをつけてる奴。
保健室でかずくんに触れた奴。
変な嫌がらせのようなメモを忍ばせてくる奴。
……全部、あいつの仕業なんじゃないかって
疑いたくなる。
N「まーくん、人違いじゃない?」
かずくんは、そういうけどさ。
何度か、見かけてるんだし間違わないと思う。
A「話してみよっか?」
N「えっ?まーくん、聞かないよね?
付けられてんのも……保健室のも……」
かずくんが、眉間にシワを寄せて変な顔を
してる。
A「言わない……かな」
N「えぇっ!?待って!ダメだよ?」
かずくんに、腕を引っ張られて待ってと
制されたけど。
僕の中で、あいつだと確認したからには
一言言っておかなきゃ、気が済まなかったんだ。
N「まーくん、待って。僕が先に話すから。
今は、とりあえず教室戻って?ね?お願い」
珍しく必死なかずくんに、僕も
A「分かった。気をつけてね。かずくん……
隠さずあいつの話したこと教えてね?」
そう言って、あいつをもう一度睨んでから
かずくんの教室を離れた。
