
僕のまーくん。
第37章 かずくんがヤバい!?
綾野くんからの「あの先輩ですか?」の
質問に、うんって返事を返していいか
……分からない。
僕は、黙って下を向いた。
持っているお弁当箱に余計な力が入る。
目の前にいる、綾野くんの視線がちょっと
……怖い。
よく考えたら、こんな所に
「二人きり」だし。
潤くんの「気をつけろよ」の言葉が
脳裏を過った。
………………。
ん?
でも、今、確か「あなたをつけてるんじゃない」って言ったよね?
そう言ったよね?
……じゃあ
どうして?
N「僕……じゃないって言った?」
「…………」
N「じゃあ、つけてるのは認めるの?」
「……………………」
N「答えて!」
僕は綾野くんに少しだけ詰め寄った。
N「黙ってるって事は認めるって事でいいの?」
尚も続ける。
だって。
だってさ。
嫌なんだよ。
こんな、ワケわからない事される覚えが
ないからさ。
ハッキリさせたいのよ。
それが、きっと今だから。
目の前の本人相手に白か黒か……
今、ハッキリさせるんだ!
「あの一緒にいる先輩がそう言ってたんですか?」
黙ってた綾野くんが、今度は僕を睨むように
長い前髪の隙間から、じっと見てそう聞いてきた。
N「……一緒にいる先輩って?」
僕は、まだまーくんの名前を言いたくなかった。
この人は、僕にそれを言わせたいような感じで
探ってくるから。
N「ねぇ、その前につけてるのは認めるの?」
僕は語気を強めて聞いた。
負けるもんか。
ハッキリさせるんだ!
