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僕のまーくん。

第38章 綾野くん




翌日、あいにくの雨。

 
傘をさしながら、昨日「太陽の神様」を
最後見送った場所まで向かった。


しばらく待つ事にした俺は。
傘を顔にかかるようにして、すぐに
真っ正面からは見えないようにして待機した。



人もまだ、まばらだった朝イチから
だんだん増えてきた。



……来るかな。



 
チラチラと、傘のこちら側から向こう側を
伺っていると




あっ!




きた。




「太陽の神様」



大きな傘に……誰かと二人で入ってる。



どんよりとした、雨模様の中似合わない
明るい太陽のような、笑顔が傘の合間から
見え隠れしているけど、間違いない。


 
「太陽の神様」だ。



……その隣にいるのは、昨日の
あの色白な子。


「太陽の神様」との身長差が、
……なんだかカップルのような、雰囲気を
作っていた。



仲いいんだろうな。



離れた所からでもわかる、二人だけの世界。



……モヤモヤする暗い気持ちが俺を支配していく
のが分かって。



その二人の後ろを追いながら、どんどん気分は
下がっていった。



……どういう関係なんだろう。



見ればみるほど、カップルにしか
……見えない。




気がついたら、学校についていた。



傘を畳んで、ちょっと離れた所から、
「太陽の神様」の後を目で追う。



あの、小さい男子が笑顔で「太陽の神様」に
手を振ってる。


「太陽の神様」も、弾けた笑顔で返している
のが見えた。



二人がいなくなったあと。



目で追っていた、靴箱の前まで行って。
確認した。

一番上の段から、靴を入れてた。



そして、ここは二年生の靴箱だ。
二年生だったんだ。



あの人の名前……




「2ー2 相葉雅紀」




白いネームシールにそう記されていた。



アイバマサキ?



……先輩。



胸が、妙にドキドキ高鳴るのを感じた。

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