
僕のまーくん。
第38章 綾野くん
綾「僕は先生がいなかったから、
自分で適当に手当てして、すぐ
出ましたよ?」
二宮くんは、それを聞くと
N「あっ、そっ、そうなんだ……うん。
なんか、ごめんね。急に……」
そう言って、苦笑いのような作った
顔をして、自分の席に行こうとした。
「……」
どうしてそんな事、聞いてくるんだろう?
俺は、今の二宮くんとの会話を頭の中で
ぐるぐる考えながら、
あの日、教室に二宮くんを迎えに来た相葉先輩を
思い浮かべた。
そして、咄嗟に口をついて出た言葉が
綾「この前の先輩達……仲いいんですか?」
あぁっ……
まさか、二宮くん本人目の前にして
一番聞きたくて、でも、どうしても今まで
聞けなかった事を……
ついに聞いてしまった……
N「えっ?」
机に鞄を置いた二宮くんが、また、
俺の方に向き直った。
俺は、座ったまんま二宮くんを少し
見上げる感じで見た。
N「先輩達?」
綾「……はい。この前来てた先輩方……」
もう、ここまで聞いたら二宮くん本人の口から
二人の関係性を聞いてみたかった。
少し、キョトンとした顔の二宮くん。
……やっぱり可愛いな。
N「あぁ、うん!幼なじみなのよ」
そう言ってはにかむように笑って答えてくれた
二宮くんは、初めて少し緊張が解けたような
素の笑顔を見せてくれたような気がした。
……やっぱり幼なじみ。
だったんだ。
……それにしても、二宮くんの表情が
可愛すぎて。
相葉先輩とは、違う意味の感情で……
萌える。
