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僕のまーくん。

第38章 綾野くん




いつものお昼休み。


俺は、いつも通り今日はお弁当を持って
あそこへ向かう。


そう。


「音楽室」へ。


この時、彼に後ろからつけられているなんて
全く気付かず、俺はいつも通り
ピアノに一直線したんだ。


お昼を頂く前に、まず……


ポローン♪♪♪


一曲奏でるんだ。
ピアノの前では、一番自分らしくいられる。


夢中で弾いた。


いつも俺が見ているように、今日は俺が
逆に見られているとは全く知らずに……


そして、全力で弾き終わった後、
急に後ろから 




パチパチパチパチ!




……はっ!?



パッと振り返って見れば、そこには
あの二宮くんの姿が!


えっ?えっ?えぇぇっっ!?!



手!?


手……叩いてるし……




「なっ……なんで」
    



動揺が、か、隠せないっっ!
みるみるうちに、顔から火がでるくらい
熱くなるのが自分でも分かった。




N「あっ!驚かせてゴメン、でも凄いんだね。綾野くん!」




二宮くんは、優しい顔……しながら
俺に慌ててそう言った。


あ、あぁぁ……




「あっ……いつから?」




やっと、それだけ言えた俺は。
もう、心の中は大パニックだった。
 


N「本当にごめんね?でも、凄い綺麗な
 曲だった……」


そう言って目が合った
二宮くんも、罰の悪そうな顔して
頭をポリポリ掻いている。
でも……可愛い笑顔を向けてくれてる……



……なんで、こんなとこに二宮くんが……



あぁぁ……



その時、


N「あのさ……ちょっといいかな?」


二宮くんが切り出した。




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