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……もう、こうなったら仕方ない。
この状況じゃ逃げるに逃げれない。




綾「気付いてたんですか？」


　　
二宮くんにそう返した俺。

　　

N「なんで？えっ！？なんで？」


それを聞いて今度は二宮くんが、大きな
声で返してきた。


……ですよね。



……なんで？って、そうなりますよ……ね




N「えっ？ねぇ、本当に？本当にそうなの？」



こちらに詰め寄ってくる二宮くん。

俺は、またピアノの前での椅子に腰掛けた。



N「つけてるって……なんで？」


二宮くんが、見たことない顔して
迫ってくる。



……ど、どうしよう。


動揺してる俺は、自然に指が目の前の
鍵盤をなぞった。
ポローンと、音楽室にピアノの音が響く。


あぁぁ……


バレた！バレた！バレた！バレた！


しかも、この二宮くんにぃっ！


頭の中はガンガンしてきて、パニックだった。


な、なんとか……


ゴマかしちゃえないかな？


そんなバカみたいな考えがぐるぐる回る。




N「綾野くん……ねぇ？」




近付いてきた二宮くんを、もうこの際
思い切って


「せーの」


と俺は心の中で叫んで、目を合わせた。






「……冗談」





ボソッと小さな声が勝手に口をついて出ていた。