
僕のまーくん。
第8章 夏休みの思い出作り
「これ、デートだよね?」
ニコニコしながら、可愛いかずくんが僕に振り返って聞いてきた。
「デートだよっ!」
僕もニッコリ笑って答える。
「まーくんとなら、どこでもいいよ」
かずくんがポッと頬を赤らめながら言う。
「ん~僕もかずくんと一緒ならどこでもいいんだけど……」
二人で、どうしよっか……って悩む。
ここは年上の僕がしっかりリードして、かずくんをエスコートしてあげなくちゃ!って感じ?
慣れない「デート」というシチュエーションに、僕も悩む。
僕から、誘ったんだし、うーん。
かずくんが好きなこと……好きな場所……
暑いのかずくん嫌いだし、やっぱ涼しい場所がいいかな?
ちょっと見上げて僕を見てるかずくんに、
「デートの定番だろうけど映画でも見る?」
ってかずくんに、聞く。
「映画?うん!いいよっ🎵」
かずくんも、頷いてくれた。
とりあえず街まで出かけることにした。
駅に行くまでの道のり。
………………………………。
プラプラしているかずくんの手を。
そぉっと握ってみた。
パッとびっくりしたかずくんがこっちを振り返る。
「いいよね?」
僕が、聞くと、かずくんははにかみながら、
コクンと頷いた。
せっかくだから「恋人つなぎ」で、キュッとしっかり握ってみる。
下を俯きながら歩いてるかずくんが可愛らしい。
チラッとこっちを見るかずくん。
「僕ね……まーくんと外で手繋いで歩くの夢だったんだ……」
って。
そんなこと言われたら、もうずっとずっ~と繋いでいたくなっちゃうよ!
「でも、僕たちの関係……誰にもばらさないようにしなきゃ……だし……」
って。
ちょっと悲しそうな顔してかずくんが言うから。
「僕は構わない」
って、かずくんにニッコリ笑って言った。
驚いた顔でかずくんが僕を見た。
「まーくんは、周りの人……平気なの……?」
「かずくんが、嫌なら秘密でもいいし、ばれたらばれたで、全然構わない」
やっぱり、男同士ってリスクあり?
かずくんがもし、それで困るなら僕は絶対ばれないようにする自信もある。
可愛いかずくんを、本当は見せびらかしたいくらいなんだけど…
