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僕のまーくん。

第40章 甘えたい



もう、辺りは薄暗くなってて……
いつもより、遅い帰り道。

まーくんが隣を歩いてくれてるから安心
なんだけどさ。

あの人、大丈夫かな?
一人で帰らせたけど……
泣いてた綾野くん、女の子みたいだったから。
……まぁ、見た目ずいぶんしっかりと
「男」だから、大丈夫か。

中身は、その見た目とは全く真逆の超乙女ちゃん
だからちょっと心配になった。


でも。



帰る間際は、はにかむように笑った顔を見れたから
良かったのかな?


「相葉先輩……二宮くん……あ、ありがとう
 ございました……」


って……





A「そういえばでもさ……あの子じゃなきゃ、
 他に誰か別な奴いるって事だろ?……ヤバくね?
 かずくん、僕、絶対かずくん守るから!
 なんかあったらすぐに言ってね!?」



まーくんが真剣な顔をしてそう言ってくれる
から、忘れてたけど昨日のポストに入ってた3枚目の手紙をまた思い出した。


【男とヤりまくってるの知ってます】

  
封筒に「二宮和也様」って書いてあったアレ。

……まーくんには、朝言ってなかったし。



……ゾワァッ



……ちょっと待って。


なんか、急に思い出したら……
家に近付くにつれ怖くなってきた。


だって、だってさ。


家まで誰か来て、入れたんだよ?
わざわざポストに……


綾野くんだって……

ストーカーしてるのあの人だって、思い込んでたから、てっきり綾野くんがポストに
入れたんだろうってさ。
そんな風に、話聞くまでは思ってたけど。


でも、違ってて。


他に……誰かいる。


誰か。


手紙だけじゃなくて、保健室でキスされたのも……


ううっ



気持ち悪い……





A「かずくん?」


まーくんに僕の左手を急にグイッと
引っ張られて、近くまで引き寄せられた。


歩きながら話してたから、もうだいぶ
家の近くまで来てて、辺りは住宅街。
今、前も後ろも誰もいない路地。


A「どした?」




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