僕のまーくん。
第40章 甘えたい
一階にまーくんと一緒に降りていくと、
おばちゃんがバタバタと仕事に行く支度を
していた。
「あらぁ!かずくん、お泊まりするって
まぁから聞いたわよ。ゆっくりしてってね。
おばちゃん、今から急に仕事だから……あっ!
ご飯簡単なものだけど、準備してあるから
食べてちょうだいね?」
……大変だな。
まーくんのおばちゃんも。
頑張ってるね。
N「おばちゃん、ありがと。頑張ってね。」
リビングを行ったり来たりしながら、
準備してるおばちゃんにそう声掛けた。
「まぁ!かずくんと留守番よろしく!
火の元にはくれぐれも気をつけてよ!」
バタバタしてるおばちゃんが、まーくんに
そう言って「じゃ、行ってきます」と
出かけるのを、二人で見送った。
AN「行ってらっしゃ~い。気をつけてね」
何故か、バッチリここまでハモり
二人顔を見合わせて笑った。
まーくんが
A「火の元には……って一体いくつだって
思ってんだよぉ……」
今言ったおばちゃんの言葉にぼやくまーくん。
N「僕んちなんかそれ以上だからね?」
まーくんに、プウッと口を膨らませてみせた。
シーンと静まりかえったリビングに
まーくんの声が急に響いた。
A「かずくんっ♡♡その顔可愛いすぎっ!」
ガバッと抱きしめられた。
まーくんが、僕の顔を両手でムニッと挟み
見下ろされながら僕はされるがままに
なっている。
だって……
だって……
さっきまで、僕とまーくん以外におばちゃんがいたから、セーブしていた感情もさ。
急に静かになったリビングが示す通り、今は
僕とまーくんの二人きり。
……ドキドキするでしょ。
まーくんに見つめられながら、そぉっと
目を閉じた。
チューして欲しくて。
まーくんの唇を待った。
でも。
唇に、チュってほんの一瞬だけ軽く触れた
だけのキスに逆に驚いた。
……えっ?えっ?
なんで、まーくん?
……こんだけ?
なんでぇ?