僕のまーくん。
第40章 甘えたい
A「あの子って?」
………………。
今温めたばっかの
味噌汁をすすりながら、上目遣いで見てくる
まーくんに
N「ほら。まーくんに告白した女の子……」
ガチャン!
まーくんが味噌汁の茶碗を滑らせて溢した。
A「うわっ、ちちっ……」
N「まーくん!ちょっ、大丈夫?」
まーくんのほうに、布巾をやって
N「まーくん冷やさなきゃ!」
バタバタと慌てる二人。
A「いやいや、大丈夫!大丈夫だから!」
N「冷やしたほうがいいよ!」
テーブルを拭きながら流しに行ったまーくん。
大丈夫かな。
A「ゴメン!ゴメン!大丈夫だよ。ほら」
ハハッと笑いながら手を見せてくれた
まーくんに安心して、また話の続きを
持ち出した。
N「僕らの事、知ってる人って潤くん達と
綾野くんと、あの子……くらいだよね?」
A「……うん、そだねぇ」
どっか遠い目をしてるまーくんに、もう一度聞いた。
N 「まーくん、心当たりない?」
A「うん……分かんないや。かずくんは?
誰かに見られてるとか……あ~心配だぁっ!
保健室の奴みつけたら、マジぶっ飛ばして
やる!!」
N「誰か突き止めたら僕も黙っちゃいないよ?」
A「あ~ダメダメ!かずくんは、何にもしちゃ
絶対絶対にダメぇッ!
危ない事は、絶対まーくん許さないよぉ~」
まーくんが、首を横にブンブン振ってる。
N「僕だって男子だし!」
食べ終わって、お茶を飲みながらニコニコして
見てるまーくんに、ほらって
Tシャツ捲り上げて、腕の筋肉をフンフンってやって見せた。
A「ブッ!ちょっとかずくんブハハッ!
可愛い事すんの止めぇっ!!」
笑いながらお茶を吹き出すまーくん。
……むぅ、失礼なぁ
……って仕方ないかぁ。
本当に細っこい、白い腕をフンフン
みせられてもねぇ。
自分でやって、ちょっとへこむ。
拗ねてる僕に、まーくんがガタンって立ち上がって
後ろからぎゅうって抱き付いてきた。