
僕のまーくん。
第8章 夏休みの思い出作り
Aside
「かずくん、6月誕生日だったじゃん!」
僕は、Tシャツを広げてかずくんに見せる。
かずくんは、
「えっ?誕生日……」
って急に言った僕に、ポカンと口を開けた表情をしてる。
「なんかあげたかったの」
誕生日おめでとうは、毎年言ってきた。
16才になったかずくん。
間に合わなかったんだもん。
僕らが、付き合い出したあの日は、かずくんのお誕生日が過ぎたちょっと後だったし……
「記念にね❤」
「なーんて。」
「かずくんが好きなの選んでいいよ🎵」
かずくんは、
「嬉しい🎵ありがとう」
って。
「じゃ、まーくんが選んでくれたのでいい」
ってニッコリ笑って言った。
「んじゃ。これにしよっ🎵かずくん、ピンクも似合う🎵」
真ん中にちょっとロックなゴリラがプリントしてあるピンクのTシャツ。
「ありがとう。まーくん❤」
お店から出て、はい!ってかずくんに袋を渡した。
「かずくん、遅くなったけど、16才のお誕生日おめでとう🎵」
「毎日着るねっ」
って言ってくれたかずくんに、
「次のデートはこれ着てね❤」
って僕もニッコリ返した。
これから、毎年お誕生日は一緒に過ごそうねって意味も込めて……
そうやって、かずくんと色んな思い出を作っていきたい。
この夏休みの初デートだって、僕らの一生の思い出の1ページにしていきたいんだよ。
ね?かずくん……
渡された紙袋を、ふんわり優しい笑顔で見ているかずくん……
あー!抱き締めたいくらいに可愛い❗
さっき電車の中でした一瞬のキスもめっちゃ可愛かったしぃ❤
「…………かずくん、じゃそろそろ映画館行こっか」
抱き締めたい衝動を隠すように、かずくんに行こってもう一度言って歩き出した。
かずくんも、
「まーくん、待って」
って後ろから早足でついてきた。
クイッと、僕のTシャツの腰のとこら辺を萌え袖、激可愛天使かずくんに、ちょこんと掴んで引っ張られた。
んもうっ!
いちいち可愛いかずくんの仕草、行動に僕もキュンってなる。
今日がまだまだ続いてほしい~なんて思いながら
かずくんと映画館に向かった。
