
僕のまーくん。
第42章 綾野くんpart3学校編
ガーン……
もう……最悪。
あんなに、会ってハンカチを返す時の
シミュレーションを頭の中で、重ねてきたのに……
現実は、上手くいかないもんですね。
クラス中の奴らに見られた気がして、
余計に焦り、目の前の二宮くんに
「ごっ……ごめ、なさい」
小さく呟く形で……一言置いて、
早足で逃げてきて
……お手洗い、なう。
うわぁっん……もう、どうして!!
俺ってやつは、俺って奴はぁっ……
あぁん……
用を辛うじて足しながら俺は、
今の余りにも不甲斐ない自分に
凹みまくっていた。
あんなにシミュレーションしたのに……
急に来るんだもんっ!
しかも……やっぱ。
あのスマイル……
相葉先輩に負けないくらいであろう
あの、可愛らしい……
エンジェルスマイル。
さすが、太陽の神様の彼女さんだけありますね。
色白の二宮くんの、近くで見る可愛さは……
俺なんかには、全然ないもので……
やられちゃいます。
……心ごと、持ってかれちゃう勢いです。
はい。
しかも、なんか一段と……
また、可愛さ……というか
なんか、ドキッとさせるような
フェロモンのようなものが……
二宮くんから、全開になってたような……?
気のせいですか?
あの一瞬でそう、感じさせるくらいですから……
二宮くん。
やっぱ、最強……ですね。
で。
この前はこの人と相葉先輩が一緒に
並んで俺のこと……泣いてしまった俺のこと
優しく「大丈夫?」
って心配してくれたんですよね?
はぁ……
もう、やっぱ世界が違う人に見える。
さっきのぶつかった松本くんにしろ……
相葉先輩と繋がりがある人達だからか。
でも……
二宮くんは優しい人。
多分、普段はあんまり松本くん以外に一緒にいる
人クラスじゃ見た事ないし。
本当は、多分、俺に似た部分を持ってる気がする
のも事実。
だから、偏見なく誰にでも……こんな俺にでも
あんなに優しく笑ってくれるんだ。
きっと。
でも、やっぱ。
……緊張しちゃうんだ。
ごめんなさい。
二宮くん。
あんな、去りかたして……
気を悪くしませんでしたか?
