
僕のまーくん。
第43章 紙切れの真犯人?
A side
「しょおちゃん!校庭先行ってて!僕ちょっと
寄ってから行くからぁ」
鞄を持って、言いながら翔ちゃんの返事も
待たず廊下に飛び出し、ダッシュした。
急いでるんだもんっ!
かずくんが気になって仕方ない。
階段をダダダッと掛け降りながら
前にいる人達を、上手く交わして
脱兎の如くかずくんの教室を目指した。
一年生の教室に着いた。
あっ!
まだ、ホームルーム……途中か。
あっ、ぶねぇ。
勢いで入って行くとこだったぁ!
……セーフ。
ふぅ
ちょっと見えないように後ろ側にずれて
立っていた。
先生がしばらくして出てきて、ワイワイ
賑やかになった。
ヨシッ!
入っていっていいかな?
いや……やっぱ、ダメか?
うーん、でもせっかくここまで来たし!
ワイワイ賑やかなかずくん達のクラスに
入ろうとした瞬間。
向こうから来た俯いた背の高い男子と
軽くぶつかってしまった。
A「あ!ごめんね?」
見ると、あの綾野君だった。
「きみ、綾野くん!」
言った瞬間目がバッチリあった。
この前の帰り道以来初めて会った。
「あぁ……っ!あ、相…葉せっ」
驚いた綾野君の顔が、真っ赤になっていく
のが分かった。
A「あ!こんなところにいるなんて、びっくり
したでしょお?ごめんねぇ。
この前は、大丈夫だった?帰り道。」
「あぁ……えっと、はい」
鞄を胸に抱き締めている綾野君。
A「帰るの?部活?」
そういや、なんかしてんのかな?
この子。
背高いし……バスケにも良さそうじゃね?
「えっ……いや帰り……ます」
A「クフフっ!そっか。部活入ってないなら
バスケどう?今からでも、入部全っ然
オッケーだよ?」
「あっ、あぁ……はっ、はい」
A「えっ!?マジ?入る?」
「えっ!?違っ……あっ、違いますっ」
真っ赤になってる綾野君は、慌てて
断っていた。
A「クフフっ!そっかぁ、でも考えててねっ?
いつでも、大丈夫だよ?」
「…………は、はい」
A「ね?かずくんいる?」
そうだ!かずくんを僕は気になって来た
んだから。
「あっ、に、二宮くんならあそこです」
