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僕のまーくん。

第43章 紙切れの真犯人?



おばちゃんが「ありがとう」と僕に
言いながら家の中に入って行ったのをペコリと
頭を下げて見送ったあと。


N「まーくん…大丈夫?」


助手席から降りてきたまーくんの所まで
急いでタタッと駆け寄った。

近くで見てもまーくんはさっきと違うのが
分かるくらい、顔色がすぐれなかった。


A「かずくん……ごめん、待っててくれたの?」


力なくハハッって笑うまーくん。
僕はそんなまーくんを見て、思わず
抱き付いてしまって。


N「まーくん!良かったぁ…」


A「えっ!?……ちょっかずくん?」


頭の上からビックリしたようなまーくんの
声が聞こえてきて、また心底安心した。
だってまーくん、そのまま僕の頭を優しく
撫でてくれてたもん。


A「ごめんね、心配してくれたの?大丈夫だよ?」


N「当たり前じゃん!先輩達にまーくん、
 お腹痛くて帰ったって聞いて…それから
 、それから…」


そう言って回りも気にしないで僕は、
そのまましがみついたまんま、
まーくんを見上げて、一番伝えなきゃいけない
事を口にした。


N「まーくん!ごめんなさい!僕、僕まーくんに
 あんな嫌な態度朝からずっと取っちゃって…
 まーくん、言ってくれたのに、あんなに
 一生懸命僕に伝えようとしてたのに…
 聞こうとさえしないで…」


A「うん……」


まーくんが目尻に優しいシワを寄せながら
僕を見つめてくれる。
優しく頭を撫でてもらいながら僕は、
そんな温かいまーくんの身体に包まれて
安心して伝えたかった事を話せたんだ。

いつだってそう。

昔からまーくんは、僕の話はこうやって
優しい視線でちゃんと聞いてくれるからさ。
本当に、安心出来るんだよ。


N「まーくん、ごめんね。僕、あの人達にね
 呼び出されたんだ。放課後に…」


A「あの人達?」


そこで、優しいまーくんの視線が一瞬曇ったのが
分かった。
それでも続けた。


N「うん…吉高さん」


A「あっ……」


N「まーくんが言ってたでしょ?全部聞いたんだ」


A「かずくん、あれはっ……」


まーくんが又慌てて話そうとしたのを
遮った僕は

N「うん!まーくん分かってる。だから、だから
 本当にごめんなさい!」

そう言って僕が全部聞こうとさえしなくて
勘違いしていた事をまーくんに、もう一度
ちゃんと謝った。

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